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「変化を嫌う人」を動かす:魅力的な提案が受け入れられない4つの理由【電子書籍】[ ロレン・ノードグレン ]新しいことを始めるのは誰にとっても簡単ではありません。
個人であれ組織であれ、変化への抵抗感は必ずつきものです。
新しい仕事のやり方を覚える手間、慣れ親しんだ環境から離れる不安、失敗するかもしれないというリスクなど、変化を嫌う理由は様々です。
しかし、この変化への抵抗を乗り越えられずにいると、個人も組織も成長が止まってしまいます。
テクノロジーの進化や市場の変化に適応できなければ、ひいては存続すら危うくなってしまうでしょう。
企業変革やイノベーションを成功に導く上で最も重要なのは、「人」の問題にいかに対処するかということです。
優れた戦略やツールがあっても、現場の人々が動かなければ意味がありません。
変化を受け入れ、自ら変化のエンジンとなる「人」を生み出すことが成功の鍵となるのです。
本書を読むべき人
- 組織変革のリーダーや推進担当者
変革プロジェクトを成功に導くために、現場での人的課題にいかに対処すべきかが分かります。
抵抗勢力を説得し、変化を受け入れる体制づくりのヒントが詰まっています。 - 経営コンサルタントやOD専門家
組織開発の専門家にとって、理論と実践の両面から組織変革を解説した本書は、強力な知見とツールの宝庫となるでしょう。 - 新規事業立ち上げのリーダー
新しいビジネスを始める際は、既存組織の中での変革が避けられません。
本書の手法を活用することで、抵抗勢力を和らげ、スムーズな立ち上げを実現できます。 - 自身の成長を目指すビジネスパーソン
組織変革での人の行動原理が理解できるため、自身の変化への抵抗にも気づけるはずです。
よりキャリアアップを意識する契機にもなるでしょう。
このように、組織変革に直接携わる方はもちろん、個人の成長を目指す方にも本書は有益な示唆を与えてくれます。
是非一読をお勧めします。
「『変化を嫌う人』を動かす」の要約
本日紹介する本はロレン・ノードグレン氏の「『変化を嫌う人』を動かす:魅力的な提案が受け入れられない4つの理由」です。
この本は人の行動がなぜ変わらないのか、なぜ人は変化を嫌うのかを4つの理由から解説しています。
自分のお気に入りの音楽やおすすめの商品を知人にアピールしてもなかなか共感してくれなかった経験をした人は多いのではないでしょうか。
実は、熱烈にアピールすればするほど相手の心には響かなくなるんです。
なぜかというと、人は新しいことを受け入れたくない4つの理由があります。
著者はその4つの理由を「抵抗」と表現し、人の心を動かすためのアプローチ法を述べています。
説得すればするほど相手は抵抗を感じる
概要の部分で触れたように、自分の趣味を広めたい一心で誰かに熱弁しても相手の心にはなかなか響きません。
著者はこのことを、「勢いをつければつけるほど抵抗が増す」という物理法則を例に説明しています。
例えば、自宅に訪れるセールスマンを「鬱陶しい」と思ったことはないでしょうか。
一旦話を聞き始めるとサービスのアピールや売込みが始まり、結局断って時間を無駄にするパターンが多いでしょう。
私もウォーターサーバーのセールスが来たことがあり、同様の経験があります。
このように熱意をもってアピールされると抵抗を感じるのです。
変わりたいのに変われない人の心理
惰性
人は「いつもと同じ」という感覚に安心感を抱き、知らないことや新しいことを警戒します。
「外国産の食品は怖い」、「国産だから安心」というのも似たようなものです。
これは「単純接触効果」という心理効果が影響しています。
皆さんは通販で商品を購入するとき、メーカーやブランドを意識しているのではないでしょうか。
知らないメーカーが有名メーカーの商品と似たようなものを安く販売していても、「品質に問題はないだろうか」と感じるでしょう。
対策は以下の通りです。
「変化を嫌う人を動かす」目次より
- 新しいアイデアに慣らすことで「抵抗」を和らげる
- 選択肢の提示に相対性を取り入れる
労力
簡単な言葉にすると「手間」のことです。
著者は、この労力の力は想像よりも大きいと述べています。
「労力」は人が予想するよりはるかに大きな影響力を持っていた。
「変化を嫌う人を動かす」121p
例えば、日用品を直接買いに行くよりも通販のほうが外出の手間が省けて楽ではないでしょうか?
また、家事をするのも掃除ロボットや食洗器のほうが手軽だと感じる方もいるでしょう。
労力には「苦労」と「茫漠感」の2つがあり、これらを取り除くことが重要だと述べられています。
本書の茫漠感の定義は以下の通りです。
目標達成に必要な作業量が「苦労」だとすれば、目標達成の方法を知っているかどうかを示すものが「茫漠感」だ。
「変化を嫌う人を動かす」130p
感情
本書の「抵抗」での感情は、変化に対してネガティブな感情を抱くことを指します。
例えば、私は職場の人事異動が嫌だと感じており、これは「部署内でいい関係を築いて仕事にも慣れたのに、新しい環境で新しい仕事を覚えなければならない」からそのように感じていました。
変化に対するネガティブな感情の対策を取り除く方法は以下の通りです。
「変化を嫌う人を動かす」目次より
- 「なぜ」にフォーカスする
- 行動観察者になる
- 外部の人を引き入れる
心理的反発
人は「他人に変化させられる」と感じると「抵抗」を抱き、著者はこれを「心理的反発」と表現しています。
誰かが間違っていることをしている時、その行動を正そうと真正面からぶつかっても簡単に改善はできないのもそれが理由です。
コロナ流行時は多くの人が外出時にマスクを着用するようになりました。
しかし、ごく一部の人がマスクを頑なに着用しようとせずにトラブルになったことがニュースになっていましたね。
目次の見出しがこのことを分かりやすく説明しています。
「変化を嫌う人を動かす」目次より
- 自由が奪われると感じると「心理的反発」は起きる
- 相手の誤りを示す証拠が強力なほど態度が硬化
- 説得されていると感じるだけで「抵抗」は強まる
「心理的反発」を取り除くには以下の方法が有効とされています。
「変化を嫌う人を動かす」目次より
- 自己説得
- ディープ・キャンバシング
- コ・デザイン
感想
個人的にとても面白い本でした。
職場で不満を漏らす方がおり、詳細を聞くと「目標だけ言われてもどうすればいいかわからない」と言い。まさに本書の「茫漠感」があるんだなと感じたことがあります。
本の知識と実際の体験が結びついた興味深い体験でした。
「人を変えたい」と思う方だけでなく、「自分を変えたい」人にもおすすめできます。
変化しなければならない状況になった時、自分はどこに抵抗を感じているのかを本書の内容に沿って自問自答することで解決策が見えてくるでしょう。
逆に「我が道を行く!」というタイプの方にはあまりおすすめできないです(本当はそういう方にこそ読んでいただきたいと思っています)。
まとめ
「変化を嫌う人を動かす」という本は、ビジネスでもマネジメントでも自分自身に対してもあらゆる場面で活用できます。
4つの抵抗それぞれを解消して上手くいった実例も記載されているので、抵抗を取り除く具体的方法もわかりやすく、人を動かすことに対する「茫漠感」が解消できるでしょう。
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